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interview 徳島トヨペット株式会社

企業DATA

徳島トヨペット株式会社
徳島県徳島市昭和町8丁目7番地
TEL 088-622-9138
https://www.p-tokushima.co.jp/tenpo

中岸商店の中で今、注目を集めているのがハイドロカットに代表される水素を使ったガス。クリーンエネルギーへの関心度が世界的にも高まっていることから、中岸商店でも取り扱う水素について、気軽に体験し、その魅力を知ってもらおうと、水素自動車『MIRAI』を購入!福利厚生の一環として、従業員や取引先に無料で貸し出すという試みをはじめました。

(ツクレボ 松永)

水素というエネルギーを日常で体感するために

中岸商店の『MIRAI』(水素自動車)中岸商店の『MIRAI』(水素自動車)

——いつもは中岸商店さんのお客様にインタビューさせていただいておりますが、この度、水素自動車『MIRAI』を購入されたということで、販売元の徳島トヨペット株式会社徳島昭和店にお邪魔し、お話を伺います。まず、水素自動車を購入しようと思われたきっかけからお聞かせください。

中岸さん:当社の産業部でハイドロカットという水素を原料にした溶断ガスを扱っています。自分たちが携わっている業務にも関連する水素を動力にした車に興味がありまして、購入の一つのきっかけになりました。

——社用車として購入されたのですか?

中岸さん:いえ。イメージとしては試乗車のような感じです。社員はもちろん、取引先や仕入先などへも無料で貸し出し、水素というエネルギーを身近に感じてもらえればと思っています。

——それはスゴい発想ですね!

喜枝さん:商談の時に「従業員やその家族にも貸し出したい」というお話を聞いて、「レンタカーにするのかな?」と思ったのですがそうではなかったんです。自社の福利厚生の一環として購入したいと伺い、驚きました。私も営業職を15年ぐらいやっているのですが、こうした購入動機は初めてで、感動しました。

——徳島県は、積極的に水素の活用を提唱されていますよね。

喜枝さん:徳島阿波おどり空港にも水素のフォークリフトがあり、空港にはフォークリフト専用の水素ステーションがあります。水素ステーションと燃料電池フォークリフトのセット導入は地方空港初ですから、水素社会の実現に向け、徳島県は他県に先駆けた取り組みが行われていると思います。

——CO2削減は世界的な課題ですから、水素自動車への注目度も高まっていますね。

喜枝さん:購入される方の中には「レクサスもいいけど、水素自動車にしよう」と、話題性を重視して『MIRAI』を選択されるケースもあるのですが、中岸商店さんは「こういう車が広まれば、CO2の排出も少なくなる」と社会が抱える課題の根幹に目を向け、決断されています。そうした企業は徳島でもただ1社だと思います。

中岸さん:まずは「ガスといえば中岸商店」と思っていただいている取引先の方達や社員、その家族から、水素の優れた環境性や近未来の水素社会を体で感じて欲しいです。

MIRAIという名の車が予見させる未来

——水素自動車の乗り心地はどうですか?

中岸さん:とにかく静かで、驚きました。

喜枝さん:そうですね。水素自動車にはエンジンがないですから。

——え!!エンジンがないんですか!?

喜枝さん:水素自動車はエンジンではなく、水素で作った電気でモーターを稼働させます。そのため振動は少なく、レールの上を走るような滑らかな走りが特徴です。その乗り心地が高級感にもつながっています。

——動力となる水素はどうやって入れるんですか?

喜枝さん:車体の中に2ヵ所ボンベがあって、そこに充填される仕組みになっています。ボンベには大気圏の外に飛び出していく人工衛星や宇宙船に使われているものと同じ強度のものを使用していて、水素はギュッと圧縮されて入っています。

——水素自動車は徳島でどのくらい普及しているのでしょうか?

喜枝さん:中岸商店さんに購入いただいたものを含めてトータルで20台くらいです。個人購入というよりは、病院など公的な機関にご購入いただいていて、自動車整備士を育成する徳島県工業短期大学にも実習用に1台、納入させていただきました。まだまだこれから販路拡大をしていかないといけない車両ですが、残念ながらインフラの整備がやや遅れていて、現在、水素を充填できる水素ステーションは徳島県内では2ヵ所にとどまっています。

——ガソリンを入れるような感覚で、水素も充填できるものでしょうか?

喜枝さん:水素を充電する人はライセンスが必要で、セルフのガソリンスタンドのようにはいかないのですが、充填は3分程度で完了し、満タンで約650km走ります。

——かなりの距離を走るのですね。

喜枝さん:『MIRAI』は2020年の東京オリンピックでマラソンの先導車としても使われる予定です。排ガスが出ないので、後ろを走るランナーにも優しい車です。排出するのは、水素と酸素が結びついて出来た水だけ。『MIRAI』という車名も単純に今までにない未来的なデザインというだけでなく、トヨタ自動車の考える未来の車のひとつのカタチを表現しています。

CO2排出量ゼロ+災害時には外部電源としても活用

中岸商店の『MIRAI』(水素自動車)

——社内では乗ってみたいという人の予約が殺到しているのではないでしょうか?

中岸さん:そうでもないんですよ(笑)。今はまだ3、4人くらいです。それ以外はバッテリーが上がらないよう、時々動かしている程度ですね。

——車体も大きいですし、高価な車なので遠慮しているのかもしれないですね。

中岸さん:価格は750万円くらいですが、国や県の補助金制度を利用して300万円くらい補助金を受けました。その際に誓約書があって、水素自動車は燃料電池車でもあるので、震災などの災害時に外部電力として供給すること、県が行うイベントなどリクエストがあった場合に貸し出すことなどが条件になっています。

——外部電源としても活用が期待されますね。

喜枝さん:2019年度は中岸商店さんが県の補助金申請第1号。中継器を置いて調節する必要はあるのですが、いざと言うときには車が発電機になり、フル充電で2日間くらいは使用できます。

——携帯電話の充電にも困りませんね。

喜枝さん:1500wも大丈夫なので、電子レンジやドライヤーなども気にせず使えますね。

——見た目は高級車という雰囲気ですが、車以上の価値を感じます。

喜枝さん:環境も大事ですが、安全性も今一番問われているところで、『MIRAI』はトヨタ自動車現時点の最高レベルの安全性や機能性を標準装備している車でもあります。運転席、助手席にはシートヒーター、全国の水素ステーションがナビで確認できるなど、先進装備も満載ですので車単体としての満足度も非常に高いと思います。唯一残念なのが4人乗りなんですよね・・・。

中岸さん:その分、ゆったりしていていいですよ。せっかくなので、もっといろいろな人に乗ってもらって、体感してもらいたいですね。

——ありがとうございました。